昨年、色々な方面より、「原産国イタリアにおいて、IGのスタンダードが変更になるのでは?」との情報がありました。当クラブは事実関係を調べる為に昨年より原産国イタリアのIGブリーダー、審査資格保有者等にコンタクトをとったり、webを閲覧しながら情報を収集してきました。ENCI(イタリアのケンネルクラブ)のwebを閲覧している時、IGのスタンダードについての記事がありました。有名審査員であるGilberto Grandi氏が書いた文章で、ENCI発行の「CANI」という本の2004年5月号に掲載されているようです。イタリア語で掲載されていましたので、専門業者に翻訳を依頼しました。その文の一部をここに掲載致します。
一方で新世紀に入りここ数年は、イタリアン・グレーハウンドに含まれる白色含有の許容範囲を広げることについて盛んに話し合われ、イタリアン・グレーハウンドクラブが、イタリアン・グレーハウンドの正式定義を変更するようだいぶ前からENCIに働きかけをするなどの動きがあります。
この件に反論するわずかな人々は(イタリア人以外も含まれる)、反対する 客観的および技術的要素が見つからないため、これは単に新しいも物好きの 提案で、犬種にとって意味のあるものでないといって片付けようとしています。
または、犬種の遺伝的基準を広げるという一般的な必要性から提案されているものだと説明しています。しかし彼らはこの提案の本当の理由に触れようとしません。本当の理由とは、遺伝子貯留を高めるという議論の余地のない要性に根ざしており、形態学的にこの犬種を改良するためではなく、ここでより重要なポイントは許容範囲を広げることで遺伝性欠陥を減らしていこうということなのです。また反対派は、提案されているのが、すでに許容範囲として認められて部位(胸、脚)、および尾の先端(遺伝が出やすい部位)にその許容範囲を広げるという部位が限られたものであることにも触れていないのです。

イタリアン・グレーハウンドの歴史や図像解釈学、さらには世界中に現存イタリアン・グレーハウンドの大半が、FCIのスタンダードで認められている基準より多くの白色部分を有している事実を考慮にいれないとしても、この 定義変更提案の中で、何れの場合も単色被毛が常に優先されるべきであると強調していることを反対派は忘れているのです。さらに彼らは、白班点のあるイギリスのサラブレッドは考えられないといったようなありえない比較例 をあげたりしています。しかしあの気高いサラブレッドのほとんどに白色が含まれている(馬脚の白班、額の白星)ことを忘れているのです。まさに、この提案では、イタリアン・グレーハウンドにも同様の白色含有を許容範囲として認めてほしいと要望しているものなのです。また、アメリカでは白い斑点が一切ないものだけが繁殖されるケースが多いという話はまったく事実とは反するものです。

ご存じない方のためにお教えしますが、実はアングロサクソンの国々で有効 とされているスタンダード(イタリアより前から定義されていた)は斑点を認めているのです。そして現在ヨーロッパ系統においても単色被毛に関する情報を得ることは難しくなっています。特に形態学的に品質を落とさず見つけることは、現存する問題を考慮すると難しいのです。イギリスでは単色が 比較的多いという事実も、単色の親犬と白色斑点のある親犬から高い比率で 単色の子犬が産まれているということの証明です。

イギリスやアメリカなどに現存するイタリアン・グレーハウンドの多くは、一見単色に見えても、FCIの現在のスタンダード基準を大きく上回る白色含有が見られます(首、中手部、尾の先端など)。

世界中でとても愛されている我々の犬種であるイタリアン・グレーハウンドのスタンダード基準を見直す時に今や来ていると考えています。解釈や育種における誤解を起こしやすい点を「改善」する必要があります。例えば明らかな誤植である次の定義などです。「gomito(訳注:人間では「ひじ」の意ですが犬の場合どの部位にあたるのか不明)の地上高は、背峰高より少し高い」。
また、現在要望の出ている次の定義変更も必要かと考えます。「大変華奢な 骨格」という定義を「華奢だが堅固な骨格」、または「平たく細身だが堅固 骨格」とした方がさらに良いでしょう。そうすることで将来的な脚の骨折などの予防にもなるのではないでしょうか。スタンダードの特徴が時の経過とともにその犬種の欠陥になるようであってはならず、犬種の特質を変化させずに措置を講じることが繁殖する側の責任です。

最後に、イタリアン・グレーハウンドに感謝すべき点がもう一つ増えたように思います。パートナーとしてその愛らしさを日々愛でることができる喜びに感謝することに加え、そのスタンダードをめぐり活発な意見交換が行われたことに対しても感謝しなければなりません。
Gilberto Grandi

原文は
http://www.enci.it/rivista/articolo.php?anno=2004&numero=05&ordine=6

です。
又、CPLI(イタリアのIGクラブ)の公式サイト

http://www.circolodelpiccololevrieroitaliano.org/iggies.htm

には「CPLIはENCIの技術委員会に対して色の許容を広げるようイタリアン・グレーハウンドのスタンダードを改定することを要請している」と書いてあります。

本年9月初旬に石丸誠一郎が日本のIG単犬種クラブの代表として公式にイタリアに行きます。その様子や内容は帰国後に当サイトにて掲載致します。